永遠を焦がれるままに。A writer;美城丈二Another face綾見由宇也
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掌編稿『実は、‘天使’は恒に嗤っている』
2006-11-21 Tue 06:50
 ああ、あれを見ちゃあ、いけません。
 あれは人間という奴、です。
 空々しくも丹精に拵(こしら)えられた美しく綺麗な姿、形をしておりますけれど、見ようによっちゃあ壮麗可憐な貌立ちではございますけれど、騙されちゃあ、いけません。
 その心根は、動植物中、いいや、基(もとい)、生殖物中、もっとも醜悪、もっとも凶悪、とてもとても見るに値、するものではございませぬ。気にいらなけりゃあ、直ぐ殺戮を繰り返すし、強盗、強姦、窃盗の類、「人間らしい感情」だなどと、さももったいぶったかのような方便を考えつく癖に、裏では何、ひどいことばかり。そういう状態を人間界なるものでは「ひととしての風上にも置けない」などと、またさも、成人君子ぶりやがって、阿呆抜かせ!!。
 おや?なんですと。あなたさまのご先祖は、あの人間という生き物でございますか?それは誠に誠にご愁傷さま。けれど先年、ようござりましたね。あの人間なるものとこちらの聖域、憂憤無き世界とを切り離す装置、と申しましょうか、神のご宣託がございましてね。ええ、よう、ござんした。
 ええ、ええ、まあまあ、よう、ございましたよね。いまじゃ、立派に退廃し、絶滅し、化石化し、こうして展示品として置物として、観覧するばかりとなりましたものね。
 ハハハッ、ご明察!!展示されているものを見ちゃあいけないだなんて、まったく、どうも、あいすまぬ酔狂、とやらを。
 それにしても、まあ、なんと申しましょうか、日の翳るのもここのところ、お早いじゃあございませぬか?、いや、わたくしの聞き及んでおる範囲にてお話し、申しますれば、何、神様が、ここのところ、季節も日の按配も、何事か、思案致される段、そちらの方にも、ご宣託、ご介入なさっていられるとか。あら、どう、致しましょう。ご介入だなんて滅相なもの言いを。仕様が無い、のですよ。先年、この地上から人間なる生物を消失せしめ、まったく、その傀儡、その影すらお失くしになられた限りは、いろいろと他のまあ、つまり自然界にもご介入なさらねばならぬのかと。何しろ、その自然界をも掌握しようだなんて傲慢ちきなことを考えついたのが、あの人間輩(やから)というものでして。神ゆえのアート、正に芸術の極み。その自然界を人工造として変えてしまおうと図ったものこそ、人間という、この生殖物界、もっとも剣呑な生き物、人間という生物、でして。
 まあ、自業自得と申しましょうか、恒にこの世は神様のその思慮の裡(うち)。悪いことは、そうそう続きませぬわな。ならば、ここぞとばかりにご介入。あら、まあ、どうしたこと。またまたご介入だ、などと。誠にお恥ずかしき限り。
 なにしろ、わたくしは、あの人間どもほど教養なるものを身につけてはおりませぬ。うわっはっはっ。ええ、まあ、悪しからず。
 あらあら、どちらに行かれるというのやら。まだまだ人間どもの醜悪ぶりは千と万と話し足らぬというのに。ああ、淋しき限り・・・
 ・・・、はいはい、ごうござりますよ。早、お後がよろしいようで。
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