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2008年09月06日 06:38

掌編稿『歩まぬ記』

2006年11月22日 07:46

 紅い火の粉が舞う。たとえばこれを僕は捉(とら)えきれない。何故ですって?言うまでも無く、僕は臆病者、だから。
 さや青空の、貫(ぬ)けた先。たとえばそれを僕は、従えきれない。何故ですって?言うまでも無く、僕はいまを欲しがるひと、だから。

  生きていたいのです。
  出来れば、限りなく。
  僕は、いついつまでも、
  生きていたいのです。
  誰よりも、そう、なのよ、
  そう、です、誰よりも。
 
 けれど、もう、辛(つら)い。酷過ぎる。
 僕は自由、では無い。全く、もはや生きてはいない。
 緑の大地は、どこの育ちのひとの物!?
 僕の身辺、騒がしくって厭になる。
 白雪のゆらゆら、漂う丘。僕は、いまをここに棲む。僕はそんな情景の、ほんのその、白雪に溶けいりたいと心底、思案、した次第です。
 からから、紫半纏(はんてん)を着た老婆が傍らを、通る。手押し車を引きながら。「あら、どちらまで?」
 僕は、振り向いて「・・・・・・」
 そう、発してあと、その二キロ先で、その白雪に成る。
 酷寒、地獄、阿弥陀様。あんなにまで虐げられて、苛められて、「うざい、寄るな、驕るな」と云われ続け、もう、僕は、生きてはいられません。


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