永遠を焦がれるままに。A writer;美城丈二Another face綾見由宇也
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掌編稿『堕落DARAKU』
2011-02-06 Sun 22:25
 幼い頃に、大きな橋の上からよく落ちていく夢を見た。落ちていく瞬間に目覚め、恒に僕は脅威の声を発した。一陣の風の悪戯か、一気に駆け抜けようとしてけつまずいた勢いで橋げたを飛び超えてしまうのか、友達とふざけていて突かれた勢いで落とされるのか、とにかく僕にとって良からぬことが起こって落ちていくという次第だ。
 ところが、ある時期を境にそんな夢を一切見なくなった。見なくなったなと意識したあとからか、何故、落ちていく夢は見るくせに落ちてからあとの夢は見ないのだろうという、誠にいま鑑みれば素朴な疑問を抱いた記憶を思い出した。
 当時の僕はこう、答えを思案した。
 「落ちる瞬間に目覚めるからだ」
 そのことを、さも得意げか、姉貴に告げてみると姉貴はげらげらと嗤(わら)いだし、
 「ええっ? 凄く当たり前の答えね」
 と、相手にもしてもらえぬ有様だった。
 落ちる瞬間に目覚めるから良いのか、落ちてからでは遅いからか、そもそも、落ちる、この行為自体がいけないのか、いつのまにか僕のこの問いに対する疑念はすっかり霧消してしまった。何故なら、現実世界でその後の僕はいくつもの“大いなる転落”を繰り返したからだ。夢どころではなくなったと言うことだ。現実の世界で堕ちてからどう対応するか、なるほど、現実の世界で落ちる行為を繰り返したからもう夢には見ないのだなと気づいたのはまた随分、後の話しである。この世では夢であればどんなに良いであろうと思われる出来事が山ほどある。大いなる堕落を繰り返せばそういう繰言も呟かなくなる。落ちるとは全てを無にするという顛末だ。
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