永遠を焦がれるままに。A writer;美城丈二Another face綾見由宇也
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掌編稿『揺れている、影。』第七稿
2006-12-18 Mon 16:00
 『揺れている、影。Another shadow』②
 揺れていた影、そのこころだけが揺れている。

 『いじめに附いて、謂いえる想いは、わたしの幼い頃から、つまりずっと以前から、「そう、いうものはあった」という事実、のみだ。「昔は、陰湿じゃあ、無かった」「いまは、痛みを知らないから、こんなことをしたら死んでしまうといった見境が判らない」どこかでそんな言葉を聞いたが、いじめられていた、つまりいじめられっ子であったわたしから言わせれば(ただ、或る時期を過ぎ、その世界は消滅したけれど)昔もいまと変わらず、その行為は陰険であった。病弱な母が、自身に鞭打って作ってくれたお弁当が、あっさりとその中身を捨てられていることを知ったときの、横溢、懊悩。そのものずばり「死ね」だの「生きてる意味が無い」だの、その存在意義自体を否定する言葉の数々。当時、言葉の暴力といういいようは無かったけれど、そういう想いに囚われて、なんど死のうと想ったことか・・・。
 ひと一倍、おとなぶった意識が、当時のわたしを苦しめ、疎外感は日に日に増幅、された。
 結局、なんの大袈裟な物言いではなく、格差社会、差別認識、資本主義という、ユートピア精神に反した、この日本という社会でまさに経済的に大いなるひとそれぞれ多大にあまりの格差がありうるこの成人という社会で蠢いている、虐げられている民族において、いじめが無くなるはずは無い。「あなたよりもわたしは裕福」事実、この傲慢さが知らず知らず、子供たちに蔓延し、いじめを助長する。指導すべきお役人、率いる先生自体がこの蚊帳の外、ではないから、いじめはやがても終わらない。わたしたちは、そういう認識のもと、ふだん、生きてもいないかもしれず、だから、わたしのこの言も、ただの「ひとりよがり」或いは「黙殺される」ままである、あろう。

 そういう想いを、「小説にしてみたら」とさる方に進言されたことがある。「いや、まだまだ生々しくて」その方は、もう、何十年前の話し!?、いつの時代のこと!?、いい大人が!?みたいな貌をなされた、あの不遜な首の傾げ方をわたしは当時、見逃してはいない。いじめられた者だけにしか判らない、心理の綾、というものが、そこにはあるのである。
 ひとは、どこまでいってもまた、他者を窺い知れない。当たり前、と言ってしまえばそれまでだが。いまは、まさに自分のことだけで精一杯の時代、時勢であろううから、ことは重大だ。いじめは無くならない。そのことが露見し、ただただ隠蔽しようと謀るおとなたちがいたとしても私は殊更に彼らを否定もしない。また、翻ってわたしも十二分にいじめる側の当事者にいつなんどき、なるやもしれないのだから。
 いじめ、いじめられ・・・ひとはそこで蠢く。誰も彼も、いじめたことなどそのうち忘れ、やがては闇に葬られるのだ。どうしようもない、私達は、いまもその社会で生きている。』

 この文章は、僕がいまから二年ほど前に、さる教育機関誌に匿名で「いじめに附いて」という題名で投稿した文章だった。なんら問題視されることもなかったけれど、実際、高校教師という‘教職’の身にある者が書いた文章だと知れていたら、果たして、どう?であったことだろう。しばし、そのことをも考えていた。その一年後、我が校は、問題の回春教師を生んで、マスメディアが、すわ、と色めきたったとき、僕にはずっと以前から何やかやとものを書き、いろいろな媒体に公表する性癖があり、それらは、昔、見た、有る光景や有る事象を小説文めいて書いてみたりもしていたのだけれど、この文章もその一環に過ぎなかったが、ふと、僕はこの文章を想いだし、「何か、僕の身にもあるのかな?」と微かではあったけれど、その露見?を畏怖、した。ふと、そういう想いがいま、また、新たに翳し始めていた。やがて何もかも終わりが来る?、僕はきっとささやかな安楽のときと忌々しき苦渋を舐めるやもしれぬ、その境界線の只中にあって、自分自身を世情に曝(さら)されることに、実は多大に怯えていたということだろうか?
 そのときは、果たして来た。  
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